鉄棒では加藤、内村、田中の3選手が皆、離れ技を危なげなく決めて15点台でまとめる。一方で、鉄棒を弱点とするロシアはここで失速。わずか0.2点差ながら、日本はここでロシアを抜きトップに躍り出る。
最終種目のゆかは日本の得意種目。最初の演技者である白井は、序盤でG難度のリ・ジョンソンを止めると、その後も危なげない演技を披露した。最後には自身の名を冠した4回ひねり、シライ/グエンの着地も決め、ほっと胸をなでおろしたような表情で演技を終える。得点は16.133点。その役割をしっかりと果たし、次の選手にバトンを渡した。
続く加藤も、加藤らしい安定感のある演技をみせる。ラストまで乱れのない、正確な演技で15.466点をマーク。いい流れで最終演技者の内村につなぐ。
最後の演技者となった内村は、やや硬い表情もみせたが、序盤から着地を危なげなくまとめる。ラストの技で何歩か動いたが、大きなミスはなく15.600点の高得点。総合274.094点で他チームの得点を待つこととなった。
中国はゆかやつり輪などのミスが響いて、この時点で金メダル争いから脱落していた。同組で2位につけているロシアの得点を待つ状態だったが、点は伸びずに総合で271.453点。肩を組んでロシアの得点を待っていたチーム日本は、その得点が表示された瞬間に人さし指を突き立てた。2.5点以上の差をつけて、日本が団体優勝を勝ち取った。
内村は試合後、次のようにコメントした。
「(金メダルは)めちゃめちゃ重たいです。北京五輪、ロンドン五輪とメダルを取ってきて一番重たいし、プラスして僕たちの頑張りっていうよくわからないものも入っているので重さが倍以上に感じています。(表彰台での)君が代は『声が裏返るまで歌ってやろう』ってみんなで言っていて。みんなですごく大きな声で歌えてうれしかったです」
(文・横田 泉)