一時のハイペースを考えれば、イチローが3000本安打まであと10本も残して前半戦を終えたことは予想外とすら言えたかもしれない。4月は10本、5月は18本、6月は25本と今年は月間安打数を増やしてきたが、7月はまだ2本。なぜかと言えば、単純に出場機会が減っているからである。
6月はマーリンズの27戦中14戦に先発し、そのうち2安打以上を放ったゲームは9戦を数えた。しかし、7月は9戦のうち先発出場したのは2日のブレーブス戦のみ。規定打席不足ながら打率.335、出塁率.412はともにチーム1位とはいえ、これではヒット数が増えるはずもない。
今季のマーリンズは予想を上回るペースで勝ち星を挙げている。前半戦終了時の勝率.534(47勝41敗)は、世界一になった1997年の.581(50勝36敗)に次ぐチーム史上2位。ワイルドカード争いでもプレーオフ圏内の2位タイにつけている。この好成績の要因になっているのが打線の好調だ。
クリス・イエリッチ(打率.317)、マルセル・オズーナ(打率.307、17本塁打)の外野陣だけでなく、JT・リアルムトー(打率.317)、マーティン・プラド(打率.324)、デレック・ディートリッチ(打率.303)もすべて打率3割以上。前半終了時でレギュラーのうち3割以上が5人というのは、1999年のパイレーツ以降では初めてのこと。また、しばらく不振に悩んでいた主砲ジャンカルロ・スタントンも前半最後の15戦では打率.298、6本塁打とようやく復調した。