自身3度目の五輪に臨む福島千里。(写真:Getty Images)
自身3度目の五輪に臨む福島千里。(写真:Getty Images)
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 6月26日の日本陸上選手権最終日。女子200m決勝でゴールした福島千里はランニングタイマーに表示された22秒86と追い風1.8mの数字を確認すると、微笑みながら両手を大きく広げて喜びを露わにした。そしてランニングタイマーの表示がが一度消えて正式タイム22秒88が出ると、今度はホッとした表情を見せた。10年の静岡国際で出していた22秒89の日本記録を6年ぶりに更新したからだ。

「ホッとしたというより、嬉しいなと思って。久しぶりに心からそう思えました」

 こう言って微笑む福島は、08年北京五輪100mに出場して以来、日本女子短距離の第一人者として2回の五輪と4回の世界選手権に出場してきた。だが自己記録は100m、200mともに10年に出した日本記録を更新できず、悶々とした日々もあった。特に100mは12年から14年まで11秒3台にとどまり、200mも13年は23秒25、14年は23秒35がベストと足踏みをした。

 それでも昨年は5月に200mで23秒11を出すと、8月の世界選手権の予選では100m11秒23で走って準決勝進出を果たすまで調子を戻してきた。そして今年は冬場のトレーニングも順調で、「タイムを取る練習でも去年の夏のピーク時と同じくらいのタイムを出せていたので、いいのではないかと思っていた」と言うように、「久しぶりに日本記録を出せる」という期待感も持ってシーズンを向かえたのだ。

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