元チームメイト対決ということで注目を集めた一戦で、ニューヨーク・ヤンキースの田中将大は7回を投げて6安打、6奪三振、無四球、3失点(自責点は2)。シアトル・マリナーズの岩隈久志との投げ合いを制して今季初勝利を手にした。
この日の球数は93球。3度目の先発でも100球の大台に届かなかったが、6イニングもたずに降板した過去2戦とは意味合いが違う。むしろ省エネで先発投手の役割を果たした、価値あるピッチングだった。
前回までの共通点と相違点を整理してみよう。まず共通点は、ストレートの球速は140キロ台半ばから後半がほとんど。そして圧倒的な変化球の比率の高さだ。例えば初回。先頭の青木宣親こそフォーシームで内野ゴロに打ち取ったが、2番セス・スミスにツーシームをセンター前へ運ばれると、3番ロビンソン・カノら中軸にはほぼ変化球一辺倒で3連打を浴び、満塁のピンチを招く。内野ゴロが先制点につながった6番カイル・シーガーにも2球目からは4連続スプリッター。最後は7番アダム・リンドに粘られたものの、9球全て変化球攻めで空振り三振に仕留めた。一気に崩れかねなかった立ち上がりを最少失点で切り抜けられたのは大きかった。