そもそも漢方とは? 漢方の考え方を知ろう(※イメージ写真)
そもそも漢方とは? 漢方の考え方を知ろう(※イメージ写真)

「漢方って本当に効くの?」

 こんな言葉を良く耳にしますが、漢方は、治療を受けたことがない人にとってハードルが高いと感じるかもしれません。そこで漢方について理解するために、『正しく付き合う漢方2016』(週刊朝日ムック)に掲載した、基本となる考え方や治療についてのQ&Aの一部を紹介します。回答してくださったのは、東邦大学医療センター大森病院の東洋医学科診療部長の田中耕一郎医師です。

【Q1.西洋医学との違いって?】

 漢方医学と西洋医学の違いを知るためのキーワードが「未病」です。未病とは病気と健康の境目にあるような状態です。西洋医学では血液検査や画像検査などで異常が見つかり、病気と診断されて初めて治療ができます。

 一方、漢方医学は患者の訴えや医師の「見る」「触る」といった診察を重視するため、検査で異常がなくても何らかの不調があれば、治療の対象になります。つまり「なんとなく調子が悪い」「からだが冷える」といった、西洋医学では病気と診断できないような未病の状態でも、治療が可能なのです。それは、漢方医学ではからだ全体のバランスを整え、本来備わっている自然治癒力を高めることを治療の目的としているからです。

 未病のうちに原因をとり除いて自然治癒力を高めることで、病気を未然に防ぎ健康な状態に戻せるのです。

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