日体大のゆか最初の演技者、神本が危なげない演技で14.650点を出すと、続く主将の岡準平も完璧に近い着地で15.100点をマーク。そして最終演技者として白井が登場する。
後に内村は「健三は120%失敗しないだろうと思って見ていた」といった旨のコメントをしていたが、白井はまさにその通りの演技を披露する。難易度の高いタンブリングを次々と決め、ラストは4回ひねりの着地をピタリと決める圧巻の演技。終わるや否や、飛び上がって喜んだ。
白井は今回の試合を次のように振り返る。
「ミスなく、ねばり強くやることで、全員で優勝を狙う気持ちでいました。コナミ、順天堂大が優勢とみられていたので、絶対に見返してやろうという気持ちだった」
優勝が懸かったゆかはプレッシャーのかかる局面だったが「とにかく自分にできることに集中して。自分にできることをやれば16.4点くらいは出ると思っていたので、自分の点数を出しにいきました」と、当時の心境を明かした。そして表示された得点は16.700。文句なしの今大会最高得点をチームに加算して、日体大優勝に大きく貢献した。
(ライター・横田 泉)