結婚と恋愛は別だ。結婚しても婚外の誰かを愛することはある――そんな婚外での恋愛、つまり不倫を認め合う「放し飼い婚」を実践する驚くべき夫婦が存在するという。

 「放し飼い婚」は、社会学でいう「オープン・マリッジ」と呼ばれる形態だ。複数の異性と交際、その複数交際相手もこの関係を容認するという「ポリアモリー(複数愛)」の発展型である。

 さて、これまでポリアモリーの実践者から話を聞くことは極めて難しかった。実践者である30代後半女性はその事情についてこう話す。

「同性愛はまだまだ偏見の目に晒されているとはいえ、東京都渋谷区などのパートナー証明書発行のように社会の理解が進みつつあります。SMやスワッピングといった特殊性癖も、眉をひそめられることはあっても単なる個人の性癖で片付けられるもの。しかし、複数愛は『モラルの欠如』『倫理観がない』と厳しく批判されます。だから言えません」

 こうした背景から、光が照たることのなかったポリアモリー実践者の実態について、放し飼い婚夫婦とその交際相手から話を聞くことができた。

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