「起きたことをグチグチ言っても、自分も含めて誰も幸せにならない」
そして、その都度わたしひとりじゃなかったことに感謝している。
わたしよりしんどいはずなのに、笑って一緒にいてくれた人たちがいた。
それは、母であったり、夫であったり、仕事仲間だったりした。
そう言うと、
「やっぱり、大谷さんは恵まれているわ」
と言う人もいる。
そうかもしれない。
ただ、いつの時も、わたしは、この言葉を大切にしている。
「神様は、死ぬこと以外に越えられない不幸は与えない」
わたしの亡くなった祖母から言われた言葉。
祖父母は明治生まれ。当然のことながら太平洋戦争も経験した。
祖父は軍人だった。生き残ったものの、失業した。
祖母は、お嬢さん育ちで働いたことなどなかった。
でも、せんべい売りを始めた。
生きて行くために、人に頭も下げなければならないし、慣れない仕事でイヤなこともいっぱいあったはず。
それでも、口癖は、
「生きててよかった」
だった。
そして、いつも言っていた。