医師自身が行っている“花粉症対策”は?(医師専用サイトMedPeer調べ)
医師自身が行っている“花粉症対策”は?(医師専用サイトMedPeer調べ)
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具体的な治療法別ランキング(医師専用サイトMedPeer調べ)
具体的な治療法別ランキング(医師専用サイトMedPeer調べ)

 年々増え続ける花粉症患者。特に30~40代に多く、日本人の4人に1人がかかっているともいわれている。関東では2人に1人が、症状は出ていなくてもスギ花粉症の抗体を持っているというデータもあり、今後も患者数は増え続けると考えられている。

 医師7万人以上が参加する医師専用サイト「Medpeer(メドピア)」(https://medpeer.jp)で、会員の医師を対象に『医師自身の花粉症対策』についてのアンケートを実施した結果、医師が自分のために行っている花粉症対策が明らかになった。

 対策を始める時期で最も多かったのが「2月」(35.7%)で、回答者からは「花粉飛散の2週間前で十分だと思う」(40代、耳鼻咽喉科)、「飛散予想が出始めた頃から始める」(50代、一般内科)など、直前の対策で十分だとの声が聞かれた。

 次いで多かったのは意外にも「何もしない」(25.0%)で、コメントを見ると「重症でないので対症療法している」(30代、血液内科)、「マスクを着用するなどの、予防だけで経過をみる」(40代、感染症科)というように、比較的症状の軽い人が対策を取らない傾向にあるといえそうだ。

 3番目に多かった「3月」(16.5%)の場合、「少し遅めだが、最近の薬は比較的速効性がある気がする」(50代、一般内科)、「ほぼ対症療法のみなのでシーズンインしてから」(20代、循環器内科)など、薬の効果や対処療法に対する信頼の強さが伺える意見が寄せられた。

 一方、1月から治療すると回答した医師の中には「発症1月前ぐらいのレーザー治療がベスト」(50代、耳鼻咽喉科)、「初期治療として飛散開始(予報)の2~3週間前から服薬を始める」(50代、一般内科)など、早めの対処を勧める声もあり、治療法によって対策開始時期が分かれる傾向にあると推測できる。

 では実際に花粉が飛散し始めた頃に、医師が最も重視する花粉除去対策は何だろうか。41.2%の医師が選んだのは、やはり「マスク」だった。多くの人が着用しているマスクだが、効果だけでなく医師の評価も高いようだ。

 次に多かった「空気清浄機」も16.2%と数字は少し落ちるが、「極めて有効性が高く、また安全性が高い、副作用が少ない。経済効率がよく、高齢者にも安全性が高く、併用薬にも問題は少ない」(50代、循環器内科)と、高く評価している医師も少なくない。

 また、実際に医師が行っている、もしくは花粉症の家族に勧めている治療法を聞いたところ、「薬物療法」と回答した医師が最も多く71%を占めた。具体的には、抗ヒスタミン薬などを含む「ケミカルメディエーター受容体拮抗薬」を服用していると回答した医師が57%で最多。

 結局、薬物療法を行っている医師が圧倒的多数という結果となったが、これはあくまでも対症療法であり、予防という観点からは副作用などを考慮してのサプリや、洗眼と鼻うがいを勧める医師も少なくない。

 また、鼻の粘膜をレーザーで焼いてスギ花粉の侵入を防ぐレーザー治療や、舌の裏から花粉のエキスをしみこませる舌下免疫療法を試したいという声も聞かれ、新しい治療法に対して自ら積極的に試みる姿勢が伺えた。

 医師であっても花粉症の苦しみは同じ。自分に合った予防法や治療法を探す苦労もさほど一般人と変わらないようだ。