ヤクルト戦の四回、本塁打を放つ巨人のモタ=2月29日、東京ドーム (c)朝日新聞社
ヤクルト戦の四回、本塁打を放つ巨人のモタ=2月29日、東京ドーム (c)朝日新聞社
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 巨人でいま、最も注目されているのは坂本勇人でも菅野智之でもない。ドミニカ共和国出身のイスラエル・モタ(24)だ。春季キャンプ中にグラウンドに現れると、スタンドから、

「モタ! こっち向いて!」「モタ頑張って」

 と歓声が飛んだ。

「巨人は嫌いだけど、モタは好き」

 そんな野球ファンも少なくない。ソフトバンクファンの40代男性は春季キャンプを見るために宮崎に来たが、今年は巨人のキャンプにも行ったという。

「モタを見に行きました。巨人に昔いた(ウォーレン・)クロマティに似た雰囲気がありますよね。言い方が難しいんですけど、モタは巨人っぽくない選手なので応援したくなります。エリートだらけのチームでレギュラーをつかんでほしい」

 モタは2013~17年に大リーグ・ナショナルズ傘下のマイナーチームでプレーしたが、メジャー昇格はかなわなかった。17年に巨人のトライアウトを受験して不合格に。翌18年は浪人生活を送り、巨人のトライアウトを再受験。育成選手として合格を勝ち取った苦労人だ。

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