今年で30歳のアルトゥーベは昨季までのメジャー9年間で、首位打者3回、盗塁王2回のタイトルを獲得し、疑惑の2017年にはア・リーグMVPにも選出。2014年からは4年連続で200安打をクリアし、オールスター選出6回、ゴールドグラブ賞1回、シルバースラッガー賞5回と、キャリア後半での極端なペースダウンがなければ将来の殿堂入りも現実味を帯びる実績を残している。

 だが仮にアルトゥーベが通算3000安打など殿堂入りに足る結果を残して引退したとしても、間違いなく今回のサイン盗み問題が殿堂入り投票のたびに再燃して彼の足を引っ張るだろう。ボンズを見れば、それは確実な未来予想図と言っても過言ではない。

 果たしてアルトゥーベらアストロズの選手たちが真に許される日が来るのか。それは20年以上も先になってみなければ分からないのかもしれない。それほど今回のサイン盗み問題は根深く、深刻な影をMLBに落としている。(文・杉山貴宏)