本誌がインターネットを通じて2月下旬に実施したアンケートでも、「空腹力」を実感している人たちがいた。

「朝は酵素ドリンクだけ。以前は疲れやすかったのが、朝食を取らないようにしてから疲れを感じづらくなったように思います」(28歳、会社員女性)

「夕飯を食べずに水分だけはとって寝る。朝には回復することも多いです」(64歳、主婦)

「5年前から昼食を抜いていますが、体重は増えておらず、疲労も軽減できているようです」(61歳、会社員男性)

 この疲労回復法のメリットは、「朝食抜き」「昼食抜き」「夕食抜き」と、自分の生活スタイルにあわせてできることだ。

 とはいえ16時間何も食べないのは苦行に近い。しかし安心を。青木院長によれば、おなかが空いたら低糖質で塩分も少ないナッツ類なら食べてもよく、水やコーヒー、酵素ドリンクでもゼロカロリーに近ければOKだ。

 気をつけるべき点は、持病があったり、薬を処方されたりしている人は医師に相談すること。もう一点は、長く続けていると、筋肉を燃やしてエネルギーを得ようとするため、筋肉量が減ることだ。

「筋トレは必要ですが、階段の上り下りや腕立て伏せ、腹筋などで構いません」

 それでも一歩が踏み出せないという人に、青木院長の言葉を贈ろう。

「できる範囲からで大丈夫。きっちり16時間、空腹時間をつくることはありません。12時間から始めても、週に1度から始めてもいいでしょう」

 鶏むね肉に空腹力──。自分に合ったスタイルを見つけ、疲れ知らずの体をつくろう。(編集部・野村昌二)

AERA 2020年3月30日号

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