習慣は、一日の生活の流れに沿って並んでいる。詳しく見てみよう。
まずは朝食。自身や家族の健康に気を付けることで、(3)すべての人に健康と福祉をに貢献できる。また、(2)飢餓をゼロには遠い国の出来事ではない。都市で暮らす人の「隠れ栄養失調」は大きな問題。あわただしい中でも自分をいたわってあげよう。
出勤前の身支度でもゴールに貢献できる。何げなく使っている洗顔料、「スクラブ入り」と書かれていないだろうか。スクラブの多くは小さなプラスチックの粒。マイクロプラスチックと呼ばれ、下水を通じて海に流れ込むと、海洋生物が餌と間違えて食べるなどして体内に取り込む。食物連鎖によってさらに濃縮され、動物の生殖機能に影響を及ぼしているといわれる。
影響はまだ完全には解明されていないが、人間の便からもプラは検出されている。河川工学が専門の東京理科大学・二瓶泰雄教授(50)は言う。
「このままでは、近い将来、海は大量のマイクロプラスチックが浮かぶ場所となり、海水浴などをして遊ぶことができなくなるかもしれません」
私たちが日々使う様々なプラも、紫外線や波などで細かく砕かれ、やがて直径5ミリ以下のマイクロプラスチックになる。ゴミ箱に捨てたつもりでも、風で散乱したり、カラスにあさられたりして自然界に出ていくことを完全には防げない。ベランダに出したままにしがちな洗濯ばさみやハンガーも、できればステンレス製にしたい。
日本では1人あたり年間32キロのプラごみを排出している。これは世界2位の多さだ。二瓶教授によると、1日あたりだと500ミリリットルのペットボトル2本、レジ袋3枚、プラスチックカップ1個、使い捨て弁当箱1個分にあたる。
「つまり、マイボトルを使う、レジ袋をもらわないだけで、プラごみは半分以上減るんです」
マイボトルやマイバッグを使ったり、お弁当を持参したりしてプラごみを減らすよう心がけることは、(6)安全な水とトイレを世界中に、(14)海の豊かさを守ろう、(15)陸の豊かさも守ろうに加え、温室効果ガス削減で(13)気候変動に具体的な対策をにも役立つ。
これからの季節、男女を問わず日差しは気になる。実は市販の日焼け止めの一部で紫外線吸収剤として使われているオキシベンゾンとメトキシケイ皮酸エチルヘキシルは、サンゴが真っ白に変色しやがて死に至る「白化」の原因になるといわれている。ハワイやフロリダ州などでは、21年から販売が禁止されるなど世界的に規制が広がっている。