日々報道される、コロナウイルスの「感染拡大」のニュース。気がつくとニュース番組をはしごしたり、ネットニュースをサーフィンして寝る時間が遅くなる人も多いだろう。また、布団にはいってからも、興奮や不安でなかなか寝付けない人もいるのではないだろうか。
そんなコロナ不安で眠れない夜に有効な「心の会議」を提唱するのが、自衛隊で長年、心理教官を務めてきた下園壮太さんだ。新著『自衛隊メンタル教官が教える 50代から心を整える技術』でも紹介している「心の会議」の実践方法について、下園さんに聞いた。
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■怒り、不安、自己嫌悪……さまざまな感情がぐるぐる回る
コロナウイルス感染拡大のニュースは、人にさまざまな感情を引き起こします。たとえば、共働きで、保育園に行っているお子さんをお持ちのお母さんなら、こんなことが、頭の中をぐるぐると回るかもしれません。
「こんなに感染が続いているのに、まだ会社に行かないといけないとは、おかしい!」
「でも、このまま経済活動が低下すると、わが家の生活も苦しくなるのでは」
「マスク、トイレットペーパーに続いて、食料品もなくなるのでは。買いだめは慎んだほうがいいのはわかるけど、子どもにお腹を空かせるわけにはいかないから、やはり買いたい」
「それにしても、この段階でも仕事といって、ときどき、飲んで帰ってくる夫は、何を考えているのか!」
「最近、なんだか寝ても疲れがとれない……。こんな疲れている自分で、きちんと子どもを守れるのか。情けない」
怒り、不安、自己嫌悪、さまざまな感情が頭を回り、なかなか寝付けない夜におすすめなのが「心の会議」です。
感情は、論理では説き伏せられないくらいの強いパワーを持っています。いろんな感情が暴れているから、収拾がつかない感じになっていくのです。そして、人は疲れると、ますます感情に翻弄されるようになります。コロナ騒動で生活環境が変わり、疲労もたまってきている分、ますます感情が騒いで、夜も眠れなくなるのです。