ここまで読んでいただいてお気づきかと思いますが、オンライン化といっても大がかりなことはしていないんですよね。みんな、ユーチューブやフェイスブックといった既存のサービスを使っています。日本でオンライン化というと、新たなプラットフォームを作ったり、画質や音質にこだわったり、いろんなところに許可を取ったりと大ごとになってしまう印象ですが、アメリカの姿勢は「とにかく始めてみる」。質よりスピード重視です。そしてフェアユースという著作権の例外規定があるので、教科書の引用や絵本の読み聞かせも気軽にオンライン投稿できるようになっています。日本でも、特にこういった有事の際は、もう少し軽やかに事を進められたらいいのですが──。
ところでこの読み聞かせ動画、本当におすすめです。ユーチューブで「public library storytime」と検索してみてください。コロナ以前に投稿されたものも含め、各地の図書館の読み聞かせ動画がたくさんヒットします。お子さんの英語学習にも役立つかもしれません。長いおうち時間に、少しでも新たな彩りが生まれますように。
◯大井美紗子
おおい・みさこ/アメリカ在住ライター。1986年長野県生まれ。海外書き人クラブ会員。大阪大学文学部卒業後、出版社で育児書の編集者を務める。渡米を機に独立し、日経DUALやサライ.jp、ジュニアエラなどでアメリカの生活文化に関する記事を執筆している。2016年に第1子を日本で、19年に第2子をアメリカで出産。ツイッター:@misakohi
※AERAオンライン限定記事