39日。わたしの住むアメリカアラバマ州で、コロナウイルス感染拡大に伴う休校・休園が発表されてからこのコラムがアップされる4月21日までの日数です。休校・休園と前後して公立図書館も博物館も植物園も軒並み閉まってしまったので、子どもたちと行くところがありません。というか、感染拡大防止のためには、とにかくおうちにいなければなりません。
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この連載の前々回で「子どもを常に楽しませる必要はない、放っておくくらいでちょうどいい」と書きましたが、放っておくにしても39日は長すぎます。わがやの子どもは4歳と1歳で、特に4歳の娘には「今日も1日自分で工夫して過ごしてね、よろしく!」と丸投げするわけにもいかず、紙とかペンとか粘土とかタブレットとか、手を変え品を変え用意する必要があります。それでも娘は母親とべったり自宅で過ごすのに飽きてきたようで、「あーあ、お母さんといるの疲れちゃったな」なんて生意気なセリフを吐くようになりました。疲れているのはこっちも同じだってーの!
親子関係の膠着状態を脱するべく、なんかおもしろいことないかなーとネットの海へダイブすると──ありました。地元公立図書館のウェブサイトにこんなお知らせが。「ストーリータイムがバーチャル化しました!」──こ、こ、これだー!
ストーリータイムとは、図書館の司書さんたちが子どもに絵本の読み聞かせや手遊び歌をしてくれる会です。平日毎日開催されており、0歳児向け・1~3歳児向け・3歳以上と対象年齢も分かれていて、とても充実しています。わがやの子どもたちもストーリータイムのために毎週図書館へ通っていました。今回の休館で毎週の楽しみがなくなってしょんぼりしていたところ目にしたこの知らせ。さっそくバーチャル・ストーリータイムのリンクをクリックしました。
リンク先はユーチューブでした。図書館の司書さんたち十数名が休館から1週間もたたないうちにユーチューブのチャンネルを立ち上げ、自宅で撮ったストーリータイムの動画を持ち回りで投稿してくれていたのです。さっそく子どもたちの前にタブレットをセットし、よく知っている司書さんの投稿をクリック。毎週会っていた司書さんの姿が画面いっぱいに映し出され、娘は歓声を上げました。司書さんの「みんな~、元気?」との声かけに、「げんきー!」と力いっぱい答えます。これ、録画だってわかってるのかな? いや、どうも動画通話だと思っているみたい。でも、わかっているかどうかは問題じゃありません。娘の顔が──母とべったりの毎日に疲れて曇っていた娘の顔が、見違えるほど晴れやかになったのです。それだけで、わたしの胸はぽおっと温かくなりました。