放送作家・鈴木おさむさんが、今を生きる同世代の方々におくる連載『1970年代生まれの団ジュニたちへ』。今回は、テレビの強さについて綴ります。
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コロナにより、テレビがとんでもないことになっています。まず、再放送、再編集がかなり増えている。僕が構成している番組でも、いろいろな番組を、ゴールデン帯で再放送に近い形で放送しております。
ただ、通常だと、総集編などで名シーンを流すことはありますが、面白かった回をまんま流すということはめったになく、あらためて見てみると「おもしろい!」ってものもかなりあります。今は在宅率が上がっているので、この機会に「テレビっておもしろかったのね」と再び思ってくれる方がいてくれたらうれしいなと思います。
おもしろかったものをゴールデン帯で再放送するって、普段はなかなかできませんが、こういう機会だからこそ、再放送してほしいものもたくさんあります。
NHKでは「プロフェッショナル 仕事の流儀」では再放送してほしいもののリクエストを募ったらSMAPが1位だったと。確かに今、見たいですよね。
1995年1月20日、SMAPは、ミュージックステーションに出演した時、阪神・淡路大震災の直後で、被災者へのメッセージとともに「がんばりましょう」を歌いました。
そして、2005年。草なぎ剛君・香取慎吾君の2 人で「24時間テレビ」のパーソナリティーを務めましたが、その1年前、2004年に新潟県中越地震が起きました。スタッフが、マネジメントの方に24時間テレビの出演オファーをしに行った日に、テレビでは、崩れた土砂の中から92時間後に奇跡的に救出された当時2歳の男の子の映像がニュースで流れていて、何か運命を感じて、その日に出演を決めたと聞いています。
そして2011年。東日本大震災のあと、3月21日。生放送で「SMAP×SMAP」をお台場フジテレビから放送しました。番組冒頭に「僕らSMAPはお台場フジテレビにいます」と言った言葉がとても印象的でした。芸能人・著名人が東京から逃げているといういろんな情報がネットに溢れる中、あのタイミングで東京から生放送をするということはとても大変でした。3月21日に生放送をするということは、スタッフは、1週間前には打ち合わせを始めるわけです。余震も激しい中、スタッフで集まり、会議室でびくびくしながら打ち合わせしていたのを覚えていますが、なんだか勝手に使命感のようなものも感じていました。