男性をひとまとめにし、まるごと嫌悪しているのではありません。話を聞いて欲しい相手に性別は関係ない。そう、「話を聞いて欲しい時」には。
さて、口を開くのも億劫になるほど傷ついた女戦士たちは、どこで羽を休めたら良いのでしょうか。
異性愛者である私が鎧兜を脱ぎ、とことん疲れた体と心を癒したいと願った時。倒れ込む先は、慈父たる男の腕の中でも、聖母の膝の上でもありません。目指すは戦場に点在する野戦病院(リラクゼーションサロン)です。院内には、優秀な同性の衛生兵たちが私を待っています。衛生兵は退役軍人であると尚嬉しい。
私個人の指向ですが、セラピストさんと互いの心のうちを晒すのはあまり好きではありません。「わかるよ、その痛み」と言葉には出さず、優しく肩に手を掛け癒して欲しいのです。悩みを抱えた男同士が飲みに行っても、打ち明け話をせず気を紛らわせるのと少し似ているかもしれません。人間関係は言わなきゃわからないことばかりだけれど、たまには言わないでもわかって欲しいと思いますもの。
そんな気持ちを掬ってくれるのが、退役軍人セラピストさんたち。事実、元軍人の衛生兵、つまり社会の歯車よろしくゴリゴリとその身を削りながら働いていた女性たちが、女を癒す業種に職を変えたという話をよく聞くようになりました。サービスを受けていた側がサービスを施す側に転じるなんて、なかなか良い話ではありませんか。
「会社のために」よりも、まず「あなたのために」。個体差はあれど傾向として、女性には労りあうコミュニケーションが存在する。私はそう信じています。「女の敵は女」ですって? ご冗談を。女を癒すのは、女です。その点、男性は同性同士競い合わなきゃいけないように社会から設定されてるのでキツいですね。そう考えると、反論しない女のところへ駆け込み、ちょっと威張ったり、弱音を吐きたくなる気持ち、理解できなくもありません。