他に獲得に動く可能性がありそうなのは山田の地元である関西が本拠地の阪神オリックスだ。両チームとも慢性的な得点力不足に悩まされており、安定して30本塁打以上が期待できる山田をチームの起爆剤としたい考えを持っていても何ら不思議はない。

 ただ阪神は糸原健斗がセカンドの不動のレギュラーとなっているのがネックとなる。またオリックスも若手育成へと大きく舵を切っており、マネーゲームへの参入は消極的だ。昨年オフに積極的な補強を見せた楽天ロッテも、セカンドは浅村栄斗と中村奨吾というレギュラーがいるだけに、手を挙げる可能性は低そうだ。

 そうなるとやはり巨人ソフトバンクの一騎打ちが既定路線となる。両チームとも補強ポイントにマッチしているだけに、相当な大型契約を提示する可能性が高い。果たして移籍となった時にはどのような契約になるのか。その点も大きな注目を集めることは間違いないだろう。(文・西尾典文)

●西尾典文/1979年生まれ。愛知県出身。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究。主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間300試合以上を現場で取材し、執筆活動を行っている。ドラフト情報を研究する団体「プロアマ野球研究所(PABBlab)」主任研究員。

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