巨人の有力な対抗馬になりそうなのがソフトバンクだ。近年は巨人ほどFAでの補強に積極的ではないが、過去にも細川亨や内川聖一などを獲得してチームの中心とした実績がある。セカンドのポジションを見ても、2013年までは本多雄一が不動のレギュラーだったが、その後は複数の選手の併用が続いている。巨人と同様に昨シーズン、セカンドでスタメン出場した選手を並べてみると以下のようになった。

明石健志(34歳):62試合 70安打5本塁打21打点6盗塁 打率.248
牧原大成(28歳):38試合 99安打3本塁打27打点10盗塁 打率.242
川島慶三(37歳):14試合 24安打1本塁打8打点4盗塁 打率.364
川瀬晃(23歳):10試合 6安打0本塁打1打点1盗塁 打率.176
高田知季(29歳):7試合 18安打0本塁打10打点2盗塁 打率.157
三森大貴(21歳):6試合 10安打0本塁打1打点3盗塁 打率.208
周東佑京(24歳):4試合 20安打1本塁打6打点25盗塁 打率.196
美間優槻(引退):1試合 2安打1本塁打1打点0盗塁 打率.091
福田秀平(移籍):1試合 43安打9本塁打26打点9盗塁 打率.259

※試合数はセカンドでのスタメン出場。成績は昨シーズン通算。年齢は今年の満年齢。

 巨人以上にスタメンで起用された選手が多く、最多出場はベテランの明石となっている。牧原に成長が見られ、足のスペシャリストである周東も控えているが、やはり打力は心許ないのが現状だ。そしてソフトバンクとしては、二塁手として以上に長打力のある右打者としての山田の必要性が高い。

 昨年は松田宣浩が30本塁打を放ったが、今年で37歳ということを考えるとこれ以上の成績は望みづらい。内川聖一も昨年は3シーズンぶりに規定打席に到達したが、力の衰えは顕著である。バレンティンを補強したが長期的な活躍は難しい年齢になっており、数年後には確実に右の強打者タイプ不足となる。先日、ソフトバンクグループが過去最大の赤字幅を発表したのは気がかりではあるが、チーム事情を考えると全力で山田獲得に向かう可能性が高そうだ。

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