北朝鮮の金正恩・朝鮮労働党委員長がついに姿を現した。
北朝鮮の国営朝鮮中央通信によると、平安南道・順川にある肥料工場の竣工式に5月1日、出席。金正恩氏が公の場で活動した映像がメディアで報じられたのは約3週間ぶり。その間、米国、韓国などで「心臓病手術の失敗で脳死説」「すでに死亡説」が飛び交っていたが、健在ぶりをアピールした。
「ソウルの脱北者の間では99%死亡とも言われていましたが、誤報だったようです。金正恩の姿が見えなかったのは、手術を受けていたのではなく、平壌でコロナウイルスが蔓延し、別荘に避難していたなどと憶測されています」(韓国ジャーナリスト)
金正恩氏が出席した竣工式には実妹で「後継者」と注目されている金与正氏も出席していた。
3月には韓国と米国に対する声明文を発信するなどしていた与正氏は、兄が不在の3週間の間、一段とメディアで存在感が増していた。
「金与正は朝鮮半島の歴史で1120年ぶり4人目の女王になれるのか」
朝鮮半島が『新羅』時代に真聖女王という女王が存在したが、それ以来となる金与正女王の誕生か、と韓国紙もその動静を報じていた。
まだ31歳とされる与正氏はどんな人物なのか。経歴ではっきりしているのは、1996年4月から2000年末まで兄の正恩とともにスイス・ベルンに留学していたことだ。バレエのレッスンを受けていたこと、アニメのイラストを描くことが趣味だったという。
「与正は正恩よりも4歳若く留学しているため、入学時に学力差が広がっておらず、成績は兄よりよかった。北朝鮮に戻って最高峰の金日成総合大学に入学したのは、07年ごろ。物理学を専攻した。そして11年12月、父・金正日の葬儀の場に姿を現したのが、与正の公の場のデビューでした」(北朝鮮ウオッチャー)
金正恩体制になると、最側近として与正氏は正恩氏のヘアスタイルから眼鏡のフレームまでコーディネートしているとされる。彼女の“外交デビュー”は2年前の18年2月、平昌五輪の開会式で、その美貌から「微笑み外交」と世界中から注目された。