陽性者には「パンデミック番号」を付けますが、個人が特定されるようなマイナンバーや健康保険証番号と結びつけないようにする。総理大臣であろうと皇族であろうと、例外なく匿名で追跡されます。

 一方、追跡される人は自分のデータがどう使われているのかをチェックできるようにしておかなければなりません。感染情報はカルテと同じです。追跡データを取り扱う医師は、高度な情報モラル意識が求められ、時限立法などで「責任医師」を決める手続きも重要になってきます。

 新型コロナと戦うためには、ライフラインの維持が必須です。けれども、NTTのコールセンターや郵便局でも感染しています。新型コロナの特徴は飛沫(ひまつ)感染だけではなく、接触感染が非常に多いことです。郵便局だったら、郵便物を介する感染があります。

 宅配業者の配達物のパッケージなども、エタノールで消毒する工夫が必要でしょう。通信や物流、水道・ガス・電気、交通機関、食品や生活必需品などライフラインに関わる人たちの防護を徹底することが大事です。今回、失業した人が多いのなら、ライフライン維持のために教育して大量動員する体制づくりも考えなければならないでしょう。

 私たちがいま一番心配しているのは、コロナが悪い方向に進化していくことです。欧州などでは一時期、マラリアの薬と、抗生物質のアジスロマイシンが治療に有効だといわれていました。しかし、これらの薬がウイルスの変異のスピードを上げた可能性があるのです。いろいろな治療薬が使われて、耐性が増した恐れがあります。

 耐性が比較的増えにくく、副作用も少ないのが、抗インフルエンザ薬のアビガンです。診断されたら、ハイリスクの高齢者や、医療従事者からアビガンを投与して重症化を防ぐことが重要です。ただし、アビガンは催奇性(胎児などに奇形を生じさせる性質)があるので妊娠中の人は避けなければいけません。

 日本のコロナ感染対策は最初に検査制限をしてしまったため、感染がどのくらい広がっているのか状況がまったくわからなくなってしまいました。院内感染の比率も諸外国に比べて非常に高い。

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