しかし今のところ、この年が宮国のキャリアハイとなっている。翌年にも6勝をマークしたものの、防御率は大幅に悪化。5年目からは中継ぎに転向し、それなりのピッチングを見せたシーズンもあったが、過去2年間は0勝に終わり、シーズンオフには9年間背負った背番号30から58に変更となっている。
以前と比べて体つきは大きくなったが、もうひとつピッチングに凄みが出てこない。あらゆる球種を操るが、代名詞といえるような必殺のボールがないのも課題だ。今年は山口が抜けてチャンスはあるだけに、何か思い切ったモデルチェンジを見せてアピールしたいところだ。(文・西尾典文)
●西尾典文/1979年生まれ。愛知県出身。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究。主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間300試合以上を現場で取材し、執筆活動を行っている。ドラフト情報を研究する団体「プロアマ野球研究所(PABBlab)」主任研究員。