乳酸菌といえば、ヨーグルトを連想する人も多いだろう。漬物や納豆にも含まれるので、こちらも選択肢に入れて腸内環境を整えよう。AERA 2020年5月18日号は、専門家に乳酸菌による免疫アップ法を聞いた。
【何が違うの? ヨーグルトの乳酸菌13種類の働きを徹底比較!】
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漬物の「すぐき」やキウイから見つかった乳酸菌もある。これらは「植物性乳酸菌」と呼ばれる。この言葉を日本で初めて使った高崎健康福祉大学教授の岡田早苗さんに話を聞いた。
「植物性乳酸菌が含まれる食べ物の代表選手は漬物です。少量ずつでいいので毎日欠かさず取ることで効果が得られます」
漬物は塩分が気になるという人も多いが……。
「長野の木曽地方には塩を使わない『すんき』という乳酸菌の発酵だけで作られる漬物もあって、機能性の高い乳酸菌が豊富に含まれています。他にも、乳酸菌で発酵させた茶製品で高知の『碁石茶』、徳島の『阿波番茶』などがあります。薬ではないので感染症に効くとはいえませんが、ヨーグルト一辺倒ではなく、植物性乳酸菌を含む他の食べ物も選択肢の一つとして考えたほうがいいでしょう」
3月上旬には納豆も品薄になった。現在も都内の一部店舗では数に限りがあるようだ。ヨーグルトと同様に腸内を活性化させる効果がある納豆菌は、免疫アップという面でどうか。
「納豆菌にも腸内を活性化する効果はあると思いますが、『食べておいしい』という面で商品開発が行われていることが多い。ヨーグルトの乳酸菌のほうが機能面では選び抜かれている印象があります。ただ、最高の免疫アップ法はバランスの良い食事です。納豆を毎日1パック食べるのはいい習慣です。ヨーグルトも漬物も納豆も、可能なものを続けてください」(日本獣医生命科学大学教授の戸塚護さん)
健康も多様な腸内環境も一日にしてならず。見えない敵、新型コロナとの長い闘いをおいしく乗り切りたい。(ジャーナリスト・安住拓哉、編集部・中島晶子)
※AERA 2020年5月18日号より抜粋