

新型コロナウイルスの感染拡大は、大学新卒生の就職活動にも影響を与えている。特に変化したのが、筆記試験だ。これまで広い部屋に集められて実施していたものが、インターネットを通じて在宅で受験できるWEBテストに変更されることが増えた。
在宅WEBテストは、これまでも一部の企業の入社試験で導入されていた。だが、試験監督がいない状態で受験するため、不正行為の横行が問題になっていた。実際に就職活動で不正行為に手を染めた男子大学生は、こう話す。
「マジメに筆記試験の対策をするのはバカバカしい。知り合いの先輩経由で解答集を手に入れたので、在宅WEBテストを導入している企業以外は受けないつもりです。そのほうが効率がいい」
この学生が入手した解答集のエクセルデータを見ると、WEB筆記試験の種類を示す「玉手箱」「TG-WEB」などに分類され、それぞれ解答が書かれている。これらのテストでは、出題される問題がパターン化されている。データでは、試験開始後に問題文の冒頭だけ見ればすぐに解答が見つけられる仕組みだ。
解答集は、大学の先輩から代々にわたって受け継ぐサークルもあるという。なかには、ネット上で販売する人もいる。内定獲得のために手段を選ばない学生は、決して例外ではない。
また、在宅WEBテストでは替え玉受験も存在する。東京都内の私立大学に通う男子学生は、こう語る。
「知り合いの東大生に、筆記試験を代わりに受けてもらいました。周囲の学生だって普通に同じことをしています。ある意味、人脈勝負です」
替え玉受験では、受験代行の専門業者まで登場している。「就活 WEBテスト 代行」などでインターネット検索すると、すぐに複数の業者がヒットする。こうした専門業者のサイトには、<代行したことはバレません!><勉強している時間がない、あなたのために!>などの宣伝文句が並ぶ。1回の代行受験で、1万~2万円ほどが相場のようだ。なかには、現役東大生によるWEBテストの代行をうたう業者もある。
専門業者の一つに電話をかけると、一人の男性が取材に応じた。