・上原浩治(45) 312試合登板 112勝67敗33セーブ 防御率3.02 勝率.626(記録はNPB=日本野球機構)

 巨人のエースは高校時代から全国区の選手が多いが、上原は違う。東海大仰星高(大阪)時代は外野手。3年時に投手も兼任したが、エースはその後日本ハムなどで活躍した建山義紀で、登板機会はほとんどなかった。1年の浪人生活を経て、大体大で本格的に投手に転向して素質が開花。98年秋のドラフトで逆指名して入団し、1年目に20勝を挙げるなど抜群の制球力でエースに。11年間の在籍で最多勝、最優秀防御率、最多奪三振を2回、最高勝率を3回獲得した。メジャー挑戦後も、2013年にレッドソックスの守護神として日本人初のリーグ優勝決定シリーズ最優秀選手(MVP)に輝くなど救援で活躍。日米通算100勝100セーブ100ホールドは史上初の快挙だ。

・内海哲也(38) 324試合登板 133勝101敗0セーブ 防御率3.21 勝率.568

 03年秋のドラフト自由獲得枠で入団すると、3年目から先発ローテーションの中心に。左腕から繰り出すスクリュー、カットボール、スライダーと質の高い変化球を決め球に、11、12年と2年連続最多勝に輝くなど2度のリーグ3連覇に大きく貢献した。グラウンド外でも他球団から移籍する選手に気を配るなど人格者として知られ、ナインの人望も厚かった。18年オフにフリーエージェント(FA)移籍で巨人入りした炭谷銀仁朗の人的補償で西武に移籍が決まった際は、涙を流す巨人ファンの姿も見られた。

・菅野智之(30) 176試合登板 87勝47敗0セーブ 防御率2.36 勝率.649

 11年秋のドラフトで日本ハムの1位指名を拒否し、1年間の浪人生活を経て12年秋のドラフト1位で巨人に入団した。最速157キロの直球に加えて変化球も全て質が高く、制球力は抜群。フィールディング技術も高い。プロ7年間で最優秀防御率4回、最多勝2回、最多奪三振2回を獲得するなど球界を代表するエースとして活躍している。18年にヤクルトと対戦したクライマックス・シリーズ第1ステージの第2戦(神宮)では、ポストシーズン初の無安打無得点試合を達成した。巨人のエースの系譜の中でも「史上最高の投手」の呼び声が高い。(牧忠則)

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