衛藤1億総活躍相 (c)朝日新聞社
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「政治とカネ」や失言などの問題で、これまでに何人もの閣僚が辞任した安倍政権。河井案里&克行議員の選挙違反疑惑のような派手さこそないが、「舌禍」と「カネ」の両方で危うい閣僚はまだいた。

【自民党失言防止マニュアルのすごい中身】

 挙げればきりがないので、昨年からの閣僚の不祥事を簡単に振り返ってみたい。

 発言に絡んだものならば、自民党議員のパーティーで「復興以上に(議員が)大事」とあいさつした桜田義孝五輪担当相が辞任。英語民間試験をめぐる萩生田光一文部科学相の「身の丈」発言も記憶に新しい。

 政治とカネをめぐっては、秘書が地元有権者に香典を渡していた疑惑などで菅原一秀経済産業相、現在渦中の河井克行法相が相次いで辞任。昨年12月には小泉進次郎環境相が、独身時代に女性と泊まったホテル代や、幽霊企業へのポスター代を政治資金で払っていた、と週刊文春が報じている。

 過去にさかのぼれば相当な数になるが、この先はどうなのだろうか……。

 そこで本誌が閣僚の発言などを改めて確認したところ、問題発言で話題になった人がいた。

 安倍首相の側近として知られ、昨年9月に1億総活躍担当相、領土問題担当相、内閣府特命担当相で初入閣した衛藤晟一氏(72、参院比例区)。2012年に第2次安倍内閣で首相補佐官に就任、政治信条も思想も安倍首相と近い。

 新憲法制定を目指す保守系の運動団体「日本会議」とも関係が深い。当然だが、皇位継承問題では男系維持を強く主張し、安易に女系天皇に道を開くべきではない、と発言している。

 14年、当時のオバマ政権が安倍首相の靖国参拝に「失望」を表明した際には、「我々のほうが失望だ」と米政府を批判する動画をサイトに投稿。菅官房長官に叱られ、削除の憂き目に。

 最近では、ジャパンライフの元会長が、安倍首相主催の「桜を見る会」の招待状を勧誘の材料にしていたのではないかとの疑惑について、「私は要注意だと思って接する」と発言、ネット上には「だまされる側が悪いのか」と多くの批判の声が上がった。

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上田耕司

上田耕司

福井県出身。大学を卒業後、ファッション業界で記者デビュー。20代後半から大手出版社の雑誌に転身。学年誌から週刊誌、飲食・旅行に至るまで幅広い分野の編集部を経験。その後、いくつかの出版社勤務を経て、現職。

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