岩合光昭 (c)Iwago Photographic Office
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撮影/岩合光昭 (c)Iwago Photographic Office
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 動物写真家・岩合光昭さんが見つけた“いい(こ)”を紹介する「今週の猫」。今回は、キプロス・レメソスの「管理猫」です。

【今週の猫の写真はこちら】

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 紀元前8世紀頃、神を祀(まつ)っていたアポロン神殿。そこに暮らすオスの野良猫は、虎という意味の「ティグリ」と呼ばれ、管理人たちから一目置かれていた。この遺跡にネズミやヘビが少ないのはティグリのおかげだと、みな口々にいう。

 彼をよく見ていたら、一瞬にして前脚が何かを捕らえた。トカゲだ。しかしこれは害無しと判断したのか、すぐに解放する。かなりのハンターだ。そして何事もなかったかのように毛づくろい。熟年の敏腕管理人がそこにいた。

デジタル岩合
http://www.digitaliwago.com/

週刊朝日  2020年6月5日号