バイト激減で、留学生には不安が募る (c)朝日新聞社
バイト激減で、留学生には不安が募る (c)朝日新聞社
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ブルーインパルスを複雑な感情で見た医療従事者もいる (c)朝日新聞社
ブルーインパルスを複雑な感情で見た医療従事者もいる (c)朝日新聞社

 安倍政権の新型コロナ関連政策はどれも的外れ。経済的に困窮する学生たちへの現金給付でも繰り返そうとしている。その問題点とは。AERA 2020年6月15日号で掲載された記事を紹介。

【写真】青い空を飛び回るブルーインパルス

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 初夏の青い空を飛び回るブルーインパルスを見た人も多いだろう。東京の上空に、白いスモークを描いた。

 5月29日に航空自衛隊が、新型コロナウイルスの対応にあたる医療従事者に感謝と敬意を伝える目的で開いたイベント。都内の公立病院に勤める女性医師はこの日、当直室でニュースを見ながら、複雑な感情を抱いた。

「緊急事態宣言が解除になっただけでまだ終息ではありません。ワクチンも治療薬もできていないんですよ」

 新型コロナの影響で経営が厳しい医療機関は多く、勤務先の公立病院も例外ではない。公費でこうした催しをするくらいなら、1円でもいいから病院に資金を入れてほしい、と強く望む。

 医師はこう続けた。

「パフォーマンスとしてやるにしても、やり方と時期を考えるべきです。何も考えていない、何も考えられない、言われたことしかできない政治家や官僚が多いのではないでしょうか。想像力の欠如です」

 コロナ禍を巡っては、その「想像力の欠如」の連続だった。全国紙の政治部記者が言う。

「象徴的だったのが安倍晋三首相の星野源さんとのコラボ動画です。オッサンが若者ウケを狙ったけど、ダダ滑りした構図。これに限らず、振り付けする周りの官僚も含めて、世間とのズレに気づかないのはちょっとまずいです」

 政策には次々と「ズレ」が反映されてきた。

 学校の休校に伴って厚生労働省が新設した補償制度。学校に行けなくなった子どもの世話のため働けず、所得が減ったフリーランスの保護者らを対象にした補償がある。当初、風俗業などで働く人たちが対象外とされたが、SNSなどで批判が高まり方針は撤回された。

 同じ轍(てつ)をまた踏もうとしている。新型コロナの影響で困窮する学生たちを対象にした現金の給付についてだ。国士舘大学の鈴木江理子教授(移民政策)は、問題点が三つあると考える。

「対象が43万人で、国内の学生の1割強にしかなっていません。人数枠を設定せず、困窮の度合いによって対応するべきです。二つ目は留学生にだけ成績要件がついている点で、最後に朝鮮大学校が対象に含まれていないことです」

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