あるとき、メキシコのレスラーに女の子を口説くときにスペイン語でどういえばいいか聞いたら「Vamos a la cama(バモサ ラ ガマ)」と言えばいいと教えてもらったんだ。「竹の家」でもメキシカンの男が働いていて、その男に「俺はスペイン語もしゃべれるんだぜ」というところを見せようと「Vamos a la cama」と言ってみたんだよ。そしたら変な顔されたんだけど、その言葉は「ベッドに行こう」という意味でさ。3ヵ月くらい疎ましく思われてたって、後で聞いたんだ。いやあ、恥をかいた! 彼も後々「大男からそんなこと言われて、俺は戸惑ったよ!」って言われて、恥ずかしい思いをしたよ。もちろん誤解は解いたぞ!
アマリロにはそれ以来いってないね。引退するときに、女房と一緒に行きたいねと言ってたけど、まだ実現していない。テリー・ファンクもいるから、もう一度行きたいと思っている。
アメリカといえばアマリロの印象が強いけど、プロレスラーとして刺激受けたのがフロリダだ。ニューヨークをはじめ東部で金を稼いだ人がリタイアして余生を過ごすのがフロリダでね。気候が温暖で、のんびりしたいい街だ。MLBのチームもあるし、日本のプロ野球もキャンプをするよね。そんなフロリダはプロレスも盛んで、会場はいつもすごい熱気。プロレスで成功すればこれだけの歓迎も逆風も自分の体に帰ってくるんだと思ったよ。(ザ・グレート)カブキさん、マサ(斎藤)さんもその当時フロリダにいて、成功しなきゃいけないってことを教えられた。
で、ちょうどプロ野球が西鉄ライオンズから西武ライオンズになった年、最初のキャンプ地がフロリダから近くて、俺がキャンプ地まで迎えに行って田淵(幸一)さんをプロレスに誘ったんだよ。そしたら、田淵さんは体が大きいもんだから新しいヒールレスラーだと勘違いされて、ファンからブーイングを受けて生卵までぶつけられてしまったんだ! ただ当の田淵さんは「アメリカはすごいね~! こんなに熱狂するんだ~」なんて逆に感激しちゃってさ(笑)。田淵さんにとってもフロリダは刺激的だったと思うよ。