■塾に行っておけば、勉強面は安心と考える親たち

「塾に行っておけば勉強面は安心」と考えてしまう親は非常に多いです。しかし、予備校に行き、ひたすら授業を聞きインプットだけして、アウトプットや復習の時間がほとんど取れないのであれば、はっきり言って行く意味はないと思います。

 よく有名予備校で、「〇〇大学」合格者数が何人という紙が貼り出されているため、「ここに通えば合格できる」と思ってしまいがちですが、そこにはトリックがあります。毎年、有名大学に進学する学生が多い高校に入ると、予備校から「無料でいいから入ってくれ」という誘いが一気にくるのだそうです。無料ならばお得ということで、名前だけ登録しておき、ほとんど講義を受けないなんて人も大勢います。

 つまり、予備校に行っているから合格したのではなく、合格しそうな人たちを予備校が早々に取り込むのです。私も浪人時代に宅浪するかどうかを考えていたとき、一応予備校の説明を聞きに行ってみたのですが、現役時のセンター試験の点数をみせた途端、「ぜひ入らないか?」と、入塾金やら授業料やらものすごい金額を引かれて誘われた経験があります(悲しいことに東大の数学は1問も解けず落ちましたが……センターの点数だけなら合格圏内だったのです)。

 ですから、合格者何人という数字は、その予備校の授業の質というよりも、どれだけ営業がうまいかという点に比例している気がします。
 
 勉強で点数を伸ばすコツは、問題を「間違える」ことにより自分が理解していない点を明らかにし、「復習」により、できるようにしていくことです。逆にいえば、塾に行くことで復習する時間が取れないようになるならば、その塾は子どもにとって害悪でしかありません。

 塾を選ぶときは、塾でも家でもどちらでもいいので、きちんと間違える機会と、改めてやり直す時間がとれるかが、最も重要なポイントとなるでしょう。 

暮らしとモノ班 for promotion
大谷翔平選手の好感度の高さに企業もメロメロ!どんな企業と契約している?
次のページ