うつ病を克服し、偏差値29から東大に合格。ベストセラー『偏差値29から東大に合格した私の超独学勉強法』の著者・杉山奈津子さんが、今や5歳児母。日々子育てに奮闘する中で見えてきた“なっちゃん流教育論”をお届けします。
この連載が本になりました。タイトルは『東大ママのラク&サボでも「できる子」になる育児法』です。杉山さん自身が心理カウンセラーとして学んできた学術的根拠も交えつつ語る「私の育児論」を、ぜひご覧ください。
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新型コロナウイルスの影響で、できるだけ家の中で過ごすようにとの自粛要請により、ゲームをする子がかなり増えたようです。
うちも、息子が小学1年生になったらNintendo Switchを買おうと思っていたのですが、現在はゲーム機がほしい家庭の需要に生産側の供給が追いつかず、高額で転売されているような状態のため、もう少し落ち着いてから買おうと思っています。そんなわけで、大昔に買ったNintendo 64を引っ張り出し、古いマリオパーティなどをやっています。
■ゲームと違って、人生にはリセットボタンがない?
そうして遊んでいるうちに、かつて、ゲームをしない年長者たちが、ゲームに熱中する若者を揶揄(やゆ)するように、「人生にはゲームと違ってリセットボタンがないんだぞ」と、教訓のように言っていたことを思い出しました。
当時は、特に何も思いませんでしたが、今になって改めて考えてみると、「それはちがうのでは?」と思いました。人生だって、何度でもリセットして新しくやり直せばいい、と思うのです。
そういう人達は、「私の最大の光栄は、一度も失敗しないことではなく、倒れるごとに起きるところにある」という名言を残した本田宗一郎の前でも同じことが言えるのでしょうか。たとえ失敗したとか間違えたことがあっても、リセットして失敗から学んだことを生かし、次へチャレンジしていくことこそが、自分の人生を生きるために必要な能力だと思うのです。
たとえば、ブラック企業に就職してしまったとわかったら、がまんせず転職を決意する。大学に通っている途中で本当にやりたいことに気がついたら、また別の学部に入り直せばいい。「この道は間違っている」と気づいたとき、リセットして改めてやり直せる人こそ、真の強い人間ではないでしょうか。