まだ寒さの続く3月中旬。朝の寒さに布団から出たくない気持ちが、規則正しい生活を妨げる。しかし、千葉県千葉市の及川家の愛犬・もも子ちゃんは違う。起きる時間とご飯の時間にこだわりがあるのだ。飼い主の及川亜季乃さんの話。

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 9歳になった今、もも子にはもも子のこだわりがあるらしく、それに反すると鋭い目になり、白目をむいて「違うよ」と訴えます。

 例えば、もも子は時間にこだわります。まずは起床時間。もも子は母の部屋で寝ているので、「朝だよ、朝だよ」と母を起こしている様子が私の部屋まで伝わってきます。

 母が薄目を開けてベッドの上から見下ろすと小声でワンと吠え、それでも起きずにいると低音から高音まで色々に調子を変えて吠え続け、母が起きるまでやめません。

 やっと起き出した母が「ももちゃん」と声をかけると、もも子はうれしくてクルクル回って喜んでいるようです。

 食事の時間にもこだわっています。朝の散歩の後、もも子のご飯の支度が少しでも遅れたら、私の後を追って家事を中断させ、ご飯を作らせます。そして、お座り、お手、お返事をしてご飯です。まあ、せわしない朝のひとときです。

 夕方、今度は私たちの夕飯の支度を心配します。母と私ともも子が2階で過ごしていると、なぜ早く下の台所へ行かないのかと思うようで、吠えたり回転したりしてアピールします。

 しつこいと放っておきますが、階段の一番上で前脚をたらし、不満げな顔で待っています。

 毎日、朝は7時で夕方は5時半。それがもも子のこだわりです。

※週刊朝日 2012年3月23日号