大人も、ビジネスや投資や経済や専門的な情報を発信するYouTuberは、本も出しているはずです。彼らの動画だけでなく、本も読んでいただきたいです。おそらく発信内容のレベルが違うはずです。私自身も、コラム、note、Twitter、YouTubeで発信する情報のレベルを明確に区別しています。文字情報が多いほど届ける相手の知的レベルが高いと想定して発信し、動画は最も簡単に端的にわかりやすく作ります。
二つ目の弊害は、中毒性が高く、妄信的になりやすいことです。YouTubeは「信者」と呼ばれる熱狂的なファンを生みやすいプラットフォームです。特に子供たちや若年層は、本当に影響を受けやすいので、動画を何度も見ることにより信者化しやすいのです。
親の言うことは聞かないのにYouTuberの〇〇さんの言うことは聞く、YouTuberのまねをして〇〇する、という子供たちも多いです。このこと自体は、YouTuberが従来の有名人やキャラクターに置き換わっているだけで、問題ではありません。(みなさんも、かつてはサンタさんの言うことを聞く子供だったはずです)
本当に危険なのは、好きなYouTuberが「唯一の絶対神」となる事態です。検索結果や関連動画に、似たような動画が並び、同じ意見や同じ考えの動画ばかり視聴すると、恐ろしく偏った考え方や価値観をもつ人間になります。自分の好きなYouTuberと違う意見や違うことをしていると激しく責める、YouTubeでは特に排他的で攻撃的なコメントが散見されます。
多くのSNSやプラットフォームが、この危険性を以前から認知しており、対策をしています。検索結果に、反対意見や違う事柄を混ぜて、ユーザーの思考が偏らないようにしています。YouTubeも必ず対策をしますが、親も特定のYouTuberを子供にとっての唯一絶対神にしない工夫が必要です。
YouTubeだけでなく、NetflixやAmazonプライムやHuluなどの作品も見せたり、親とテレビを一緒に見たり、習い事を先生から教えてもらったり、図鑑や本や漫画を読んで、影響を受ける窓口を増やすことが大事です。
「〇〇さんが言うことは絶対!」という偏った概念を子供たちの中で作り上げないように、情報の入り口を広げることは非常に大切です。YouTubeを子供たちに見せること自体は、悪いことではありません。自分が経験しなかったことや知らなかったことを疑似体験して知ることができます。多くのYouTuberは、子供たちへの影響を考慮して動画を制作しますし、YouTube自体も「有意義なコンテンツ」を推すように変化しています。ですが、子供たちがYouTubeだけでなく、多くの媒体で情報を得られるように、親がかじ取りをしないと、必ず弊害がでると考えます。