鈴木おさむ(すずき・おさむ)/放送作家。1972年生まれ。19歳で放送作家デビュー。映画・ドラマの脚本、エッセイや小説の執筆、ラジオパーソナリティー、舞台の作・演出など多岐にわたり活躍。パパ目線の育児記録「ママにはなれないパパ」(マガジンハウス)が好評発売中
鈴木おさむ(すずき・おさむ)/放送作家。1972年生まれ。19歳で放送作家デビュー。映画・ドラマの脚本、エッセイや小説の執筆、ラジオパーソナリティー、舞台の作・演出など多岐にわたり活躍。パパ目線の育児記録「ママにはなれないパパ」(マガジンハウス)が好評発売中
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 放送作家・鈴木おさむさんが、今を生きる同世代の方々におくる連載『1970年代生まれの団ジュニたちへ』。今回は、鈴木さんが脚本を書いているドラマ「M 愛すべき人がいて」についてつづります。

【イラスト】まるでコント?ドラマMの登場人物が「ヤバすぎる」

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 僕が脚本を書かせてもらっているドラマ「M 愛すべき人がいて」が今週土曜日に最終回を迎えます。全7話なのですが、コロナで撮影が中断してしまう中、なんと、既に放送したものを副音声付きで再放送してしまう作戦などを取ったため、結局、10回分放送することになりました。

 SNSで見てくれた人がいろんなツッコミ、感想をくれて、ドラマなのに、放送しながらみんなに育ててもらえた感があります。

 三話を副音声付きで放送した回。伊集院光さんと古市憲寿さんとナイツ塙さんに副音声をしてもらったのですが、プロデューサーが「もう、思い切って、副音声している姿を画面に出してしまおうかなと思っているんです」と言いました。ドラマが放送されていて、そこに副音声している人の顔が写ってる。これって、ある意味バラエティーです。こんなこと今までだったら絶対にできない。ドラマの上に芸能人が好き勝手言ってる映像載せるなんて!と思うはず。でも、おもしろい!これってかなり画期的なことだったんじゃないかと思いますし、今後、既に放送されたドラマに副音声とその模様を画面に乗せて放送することにより、新しい番組になるという形が、一つのスタイルになったらおもしろいなと思っています。コロナの影響で、今後、制作予算も下がってくると思います。ピンチはチャンスとはよく言いますが、まさにそんな状態から生まれたこのスタイルでいろんな番組が誕生することを願います。

 で、この「M」について、周りからよく聞かれることがあります。それは「浜崎あゆみさんは、このドラマについてなんか言ってるんですか?」と言う事。少なくとも僕は聞いていません。そして、浜崎あゆみさん自身が、SNSなどでこのドラマ「M」について触れているのを僕は見たことありません。これもよく聞かれます「本人、怒ってないのかな?」と。

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あの時の、トランス状態だった芸能界・テレビ業界を思い出す