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人生はみずからの手で切りひらける。そして、つらいことは手放せる。美容部員からコーセー初の女性取締役に抜擢され、85歳の現在も現役経営者として活躍し続ける伝説のヘア&メイクアップアーティスト・小林照子さんの著書『人生は、「手」で変わる』からの本連載。今回は、ライバルの多い仕事で一歩前に出る方法をお伝えします。
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私が会社員として生きてきた時代と、いまの世の中では、会社員を取り巻く労働環境もかなり違うと思います。しかし「組織の中では売り上げがモノをいう」という大前提は、いつの時代でも変わらないものでしょう。
組織の中で成功事例をつくり出すまでには、大変なことが山積みになっているものです。企画に対して反対派もいれば、どっちつかずの日和見派も出てきます。さまざまな部署からいろいろな人間が出てきて、争いに近い状況になることもある。それはもう、いま社会人の方であれば、何度も経験してきていらっしゃることでしょう。
そこを通り抜けて「成功」を勝ち取るには、「売り上げ」で答えを出すしかありません。結果として、売れた。これはもう、どんな部署のひとであろうと誰もが認めざるを得ない「成功」です。もちろんそれまでに「お客様が喜んでくださった」「販売店が喜んでくれた」という実績を積み重ねていくことも大切です。
でもそのあとに「圧倒的に売れるものを世の中に出した」という成功事例もつくっていかなければ、ひとは信用してくれないものなのです。
そして成功事例というものは、1つだけではいけません。1個だけ当たったなどというのは「まぐれ」にしか思われない。成功事例は3つくらい立て続けにつくらなければ「実力」とは思ってもらえません。
また、これもどこの会社でも一緒でしょうが、ものごとが成功すると、瞬く間にたくさんのひとが登場してきます。
「俺が最後までねばって、あの商品をよくしたから」「俺が営業でこれだけ売ったから」「私が上司とケンカしてまで、協力をしたから」と、皆が皆で自分の手柄にしたがります。