AERA 2020年7月27日号より
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AERA 2020年7月27日号より
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 家事と子育てはただでさえ忙しいのに、コロナ禍の在宅ワークと長期休校が拍車をかけた。負担増とストレスでパニック状態になった人も少なくないだろう。AERA 2020年7月27日号は、重くのしかかる負担をお金で解決した事例を紹介する。

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「主婦業の9割削減をめざします!」

 千葉県で結婚相談所を営む唐仁原景子さん(39)は6月、自身のブログでそう宣言した。3人の子育てと家事に追われ、パニックになりそうなほど忙しい。そこに長期休校がとどめを刺した。やらなければいけないことだけで1日が終わっていく絶望感を覚えたという。

「このままでは自分のキャリアは全部諦めるしかないと思うくらい忙しかった。いま1歳2カ月の一番下の子が大人になるまでこれが続くなんて、絶対に無理だと思ったんです」

 相談した知人に「やりたくないことを続けるのは社会悪」と言われたことで踏ん切りがついた。夫も自身の負担を積極的に増やそうとはしないものの、9割削減には賛成してくれた。

 まず取り組んだのは「最新家電の導入」だ。壊れるまで使い続けることが多かった家電を、思い切って買い替えた。AI搭載で洗剤を自動投入してくれるドラム式洗濯乾燥機、ロボット掃除機、コードレス掃除機、子どもたちに飲み物を出す手間を省くウォータースタンド……。投資額は約24万円になった。ひとつひとつ短縮できる家事時間はわずかだが、積み重ねると1日1時間ほどになる。9割減を目指し始めてまだ1カ月だが、すでに実感値で4割ほど家事負担が減っている。

「機械に任せたらストレスがグッと減ったんです」

 子どもがご飯を食べる横でビールを飲む余裕も生まれた。すると、小学2年生の長女が学校での悩み事を話してくれるようになったという。

 家事負担軽減を目指すのに、家電導入は最も即効性のある一手だ。生活家電の世界では数年前から、食洗機、ロボット掃除機、ドラム式洗濯乾燥機が「新・三種の神器」と呼ばれている。アエラネットなどを通じたアンケートでも、家事軽減のためにほしい家電の1位は食洗機だった。これらが時短に役立つのは間違いないが、最近の家電はさらに一段、上のレベルにあるという。家電ライターの石井和美さんは言う。

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川口穣

川口穣

ノンフィクションライター、AERA記者。著書『防災アプリ特務機関NERV 最強の災害情報インフラをつくったホワイトハッカーの10年』(平凡社)で第21回新潮ドキュメント賞候補。宮城県石巻市の災害公営住宅向け無料情報紙「石巻復興きずな新聞」副編集長も務める。

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