このBタイプのうち千歳線の西の里信号場(上野幌~北広島)では貨物列車や旅客列車の待避が見られたが、現在は側線やポイントが撤去され往時の面影はなくなってしまった。その一方で、美々駅が2017年3月に廃止され、このタイプの信号場として活用されている。
「C:分岐点」タイプは、先の上落合信号場(根室本線・石勝線)や中小国信号場(北海道新幹線・海峡線・津軽線)、青森信号場(奥羽本線・青い森鉄道)、上沼垂信号場(信越本線・白新線)、川奥信号場(予土線・土佐くろしお鉄道中村線)あたりが代表例といえるだろう。上落合信号場など列車行違いなどの役割を持つ例があるものの、一般に停車列車は少ない。
「D:単線と複線の境界」はどうだろうか。地形などの関係から、路線によっては単線と複線とが交互に混在しているケースがある。代表例のひとつが羽越本線で、新津~秋田271.7キロ中に単線区間と複線区間との境界は24カ所(単線・複線各12区間)。現在の同線ではそれらの境界はすべて駅になっているが、このうち折渡駅は1987年3月まではDのタイプの信号場であった。
このタイプの現役では、奥羽本線の北赤湯信号場(赤湯~中川)や、中央本線の普門寺信号場(茅野~上諏訪)、関西本線の朝明信号場(桑名~朝日)などがある。奥羽本線では北赤湯信号場~中川2.8キロが、中央本線では普門寺信号場~岡谷11.5キロがそれぞれ単線。山形新幹線「つばさ」や特急「あずさ」が行き交う大幹線に単線区間があるのはちょっと不思議な気がしないでもない。
このほか、閉塞区間の境界に設置される例や、列車折り返しや留置のため(総武快速線の黒砂信号場はこれに近い)の施設などが見られる。
■駅になったり信号場になったり…ちょと変わった物件も?
前段でも触れたが、近年目立つのが駅が廃止に伴い信号場へと鞍替えした例である。函館本線の姫川と北豊津、鷲ノ巣の各駅はそれぞれ信号場として設置されたのち、国鉄民営化(1987年4月)とともに駅になったものの、2016年から翌年にかけて再び信号場となった。石北本線や根室本線も駅の廃止が相次ぎ、下白滝と金華(石北本線)が2016年に、島ノ下と上厚内、直別、尺別の各駅が2017年から19年にかけて信号場に転換された。