遠藤利明 自民党2020年東京大会実施本部長 (撮影/写真部・張溢文)
遠藤利明 自民党2020年東京大会実施本部長 (撮影/写真部・張溢文)
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東京五輪をめぐる延期決定後の主な動き (週刊朝日2020年7月31日号より)
東京五輪をめぐる延期決定後の主な動き (週刊朝日2020年7月31日号より)

 1年後の東京五輪開催に向けて、現在どのような準備が進められているのか。自民党2020年オリンピック・パラリンピック東京大会実施本部長で、大会組織委員会会長代行でもある遠藤利明氏に聞いた。

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 新型コロナの収束が見通せない中、1年後の大会を100%完全な形で開催するのは容易ではありません。しかし、日本の医療技術を駆使して感染対策を万全にすれば、現在の状況でも開催できると考えています。

 例えば、選手や関係者には出国前に全員PCR検査をしてもらう。そして、日本に入国したときも検査をする。陰性の結果が出ても、一定期間の自己隔離をしてもらう。もちろん、滞在先には練習場を用意します。

 大会に参加する選手は約1万5千人。その他の関係者を考慮しても十分に対応可能な規模です。

 問題は、大会本番で観客をどの程度まで会場に入れるか。現在、プロ野球やJリーグが観客を入れて試合を開催していますので、その結果に注目しています。

 無観客での開催については感染対策としては有効ですが、私としてはやはり会場でアスリートと感動を共有できる大会にしたい。東京大会ではできるだけ大勢の人にその感動を体験してもらいたいですよね。肩を組んでみんなで歌い、試合が終わった後は敵味方に関係なく、互いの健闘をたたえてビールを飲む。スポーツを見る楽しさを早く取り戻したい。

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