日本に帰って女房と出会うんだけど、アメリカにかぶれていた俺は彼女の京都の実家に初めて行った時もウエスタンスタイルだ! そのときの女房の俺に対する印象は「この人はずいぶんイモっぽい格好をしているわね」だと……。「みんな天龍だって見ればわかるのに、なんでわざわざベルトに『TENRYU』って書いてるのよ」って(笑)。うちの女房とジャンボの奥さんが会ってこの話になったとき、お互いが結婚後に一番最初にやったことが「ウエスタンブーツを捨てる」だったそうだ……! それでもジャンボはブーツこそ履かなかったが、ウエスタンシャツにジーンズというスタイルをずっと貫いていたよ。ジャンボは背が高くて足が長かったからよく似合っていたね。

 そんな俺のウエスタンスタイルだが、何度目かアメリカに行ったとき、日本テレビがセントルイスで撮影をすると言うので、泊まるホテルにウエスタンスタイルで行ったら、周りはスーツをビシっと着たビジネスマンばかり。そこでは初めて「あぁ! オレは場違いな格好をしてる!」と気が付いたんだ! テキサスにいる人はみんな同じような格好をしているから、アメリカではこれがカッコいいんだと思っていたが、ほかの町に行くとそんな格好をしている人は誰もいない(笑)。

 テキサスのアマリロは田舎で、瓶ビールも直接口をつけて飲むのが当たり前、グラスに注ごうものなら「女々しいヤツだ!」って言われるような場所だからね。逆にアメリカの田舎から外国人レスラーが東京に来ることも多い。あのスタン・ハンセンとブルーザー・ブロディだって結構な田舎者で「天龍、日本で一番美味しい店は居酒屋の『村さ来』だ! あそこはサイコーだ! ツナがこんなに盛ってあって300円なんだぜ!」って喜んでるんだもん(笑)。確かに安くていい店だけどトップのレスラーが300円のツナで喜ぶのはやめてくれよって(苦笑)。彼らは日本に来ると待遇もよくて、いいホテルに泊まるんだけど、そこでも「コーヒーが一杯800円もした! お替わり無しで1000円だった!」って、それを一晩中話してるんだから、なかなかの田舎者だろう。

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「天龍源一郎は目立つ格好をしなければならない」というコーデ