2月29日は「円満離婚の日」。「2人に、福(29)あれ」にちなんだものだというが、なんともひにくな語呂合わせだ。

 ダルビッシュ有投手とタレントの紗栄子、プロゴルファーの西川哲とタレントの菊池桃子と先だっても有名人の離婚がニュースになったが、近ごろの離婚問題は複雑化しているという。

 フラクタクル法律事務所の田村勇人弁護士が増加しているケースとして挙げたのは、妻が「他の男性の子」を妊娠したと夫に告げ、誰の子か尋ねても答えず、ただただ早く離婚してと迫るもの。

爆笑問題の田中(裕二)さんの元妻が他の男性の子を身ごもった状態で離婚したという報道が出たころから、それにインスパイアされたのか、こうした事案が最近、増えてきました」(田村弁護士)

 こんな離婚の場合、妻に有利に働くことが多いという。

 同事務所の堀井亜生弁護士は、「裁判では浮気をした妻が悪いと認定されますが、専業主婦で貯金も収入もなければ慰謝料は払えないので"やり得"になるんです」と話す。さらに、現在の法律では、離婚後300日以内に生まれた子は、前夫との血縁関係がないことが証明されない限り法律上は前夫の子になる。それを逆手にとって、「戸籍に自分の子として載るのは嫌でしょう」と脅かして離婚を請求することが可能になるのだという。

 浮気で妊娠までした妻に、夫が要求できる慰謝料はせいぜい300万円程度。財産分与は名義に関係なく半分ずつに分けられるから、妻からの慰謝料よりも額が大きければ夫はカネをぶんどられる格好になる。 

 やりきれなさを感じる男性も多いだろうが、最後に「浮気」の定義について田村弁護士からの説明を聞こう。

「勘違いしている男性もいますが、風俗店での行為も『浮気』と認定されます。風俗はビジネスで感情が介在しないといっても、一度だけだとしても、です」

※週刊朝日 2012年1月27日号