立憲民主党と国民民主党の合流が大詰めだ。
8月11日、国民民主党の玉木雄一郎代表が、立憲民主党との合流について、合流に参加する議員の党と、参加しない議員の党に分党する方針を表明した。自らは合流に参加せず、「改革中道」路線の新党を作るそうだ。
懸案だった党名は、国会議員による投票で決めることで両党が折り合ったが、元々国民の議員数が立憲よりも少ないうえに合流する国民の議員が減れば、枝野幸男立憲代表らが主張するとおり新党名も「立憲民主党」となるのは確実だ。
代表も今回は党員投票ではなく、国会議員の投票で決めるようだ。おそらく、枝野氏あるいは「いつもの顔ぶれ」の中から選ばれるのだろう。
ここまで協議を長引かせて最後は分党という結論を出したことに対して、玉木氏を批判する声もあるが、実は、この結論は枝野氏にとっては最良の結果と言ってもいいだろう。
私は、今年初めから、おそらく枝野氏は国民の玉木氏ら一部幹部を排除する形での合流を目指していると見ていた。3月ごろにある国民幹部に、「追い詰められて党分裂になるのではないか」と水を向けると、その幹部は、「枝野さんは分党を狙っていると思う。我々の軍資金の半分は持っていけるし、玉木氏らを排除できて枝野帝国を守れますからね。国民がじり貧なのはわかっているので、実は、最後は分党でもやむなしと考えています」と語った。予想どおりの展開になったわけだ。
ことの経緯はともかく、玉木氏は合流に賛成し、今週にも分党を党の正式決定にしようとしている。つまり玉木氏の判断により合流は事実上確定したのだ。
ところで、いざ合流が決まったとして、「それで野党は復活するのか?」と問われた立憲と国民の支持者はどう答えるだろうか?
実は、今回の合流劇の最大の問題はそこにある。
ここまでの重大な議論が全て密室で行われ、党員はこの間、経過について知らされず、党としての重大決定に全く関与できていない。