一般党員をこんなにバカにした話があるだろうか。「ついに合流が決まりました!」と言われても、党員から見ると、全ては黒く覆われた雲の中で起きていて意味不明。そのうえ、「『新』党名は立憲民主党、『新』代表は枝野幸男です。時間もなかったので皆さんの声は聴かず、私たち国会議員が勝手に決めました」ということになる。
これでは、せっかくの新党結成、新代表選出という大行事を今一番大事な党勢拡大につなげることはできない。
そこで、提案がある。
今回、国会議員の投票で決める新代表は暫定代表として、年明けに党員投票で正式代表を決めることにしたらどうか。そうすれば、年内に若手を含めて複数の代表候補が全国を回って、国民と対話しながら新党員獲得に汗を流し、さらに代表選の論戦などで国民の注目を集めることができる。
逆にそれができなければ、今もじり貧の立憲民主党の国会議員が選挙前に数十人、数が増えただけということになる。そして、選挙の結果、多くの議席を失い、元の木阿弥となるのではないだろうか。党員投票による代表選を行い、できればリーダーの世代交代を目指してほしい。
※週刊朝日 2020年8月28日号
■古賀茂明(こが・しげあき)/古賀茂明政策ラボ代表、「改革はするが戦争はしない」フォーラム4提唱者。1955年、長崎県生まれ。東大法学部卒。元経済産業省の改革派官僚。産業再生機構執行役員、内閣審議官などを経て2011年退官。主著『日本中枢の崩壊』(講談社文庫)など