
「今年の高校生の中では別格と言っていい」
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長年、高校野球を取材するスポーツライターらにこう絶賛されるのは、中京大中京(愛知)のエース右腕・高橋宏斗だ。8月12日、2020年甲子園高校野球交流試合の智弁学園(奈良)戦に先発した高橋は強力打線相手に10回を投げ5安打11奪三振。前評判を裏切らない投球を見せた。
特筆すべきは150キロ台の直球を連発した馬力だ。この日の最速は九回に計測した153キロ。2死一塁の場面で、智弁学園の1番打者・三田智也を見逃し三振に切ってとった。試合後、三田はこう言って脱帽する。
「まったく手が出ませんでした。ここぞの場面での球はノビも全然違うし、コースギリギリに決めてくる。(バットが)届く気がしなかったです」
延長十回、タイブレークの走者2人を背負った場面でも、最後の打者・植垣洸から150キロで空振り三振を奪いピンチを切り抜けた。植垣はこう振り返る。
「貫禄を感じたというか……高橋選手が近く、大きく見えました。(最後の球は)外の球に食らいつきたかったんですけど、速かった」
智弁学園はバッティングマシンの球速を150キロに設定したり、投手との距離を縮めて練習したりするなど速球対策を講じてきたが、それを上回る圧巻のパフォーマンスだった。
注目の進路はどうなるのか。高橋は「進学を考えている」と話すが、「流しのブルペンキャッチャー」として全国のアマチュア選手を見てきたスポーツライターの安倍昌彦氏は、「高卒でプロ入りしても、球団によっては即ローテーション入りできる」と太鼓判を押す。