さらに両親とも育休を取った場合、「パパ・ママ育休プラス」という制度を活用して、育休期間を最大で子どもが1歳2カ月に到達する日まで延長することができます。
厚生労働省によると2019年度の男性の育児休業取得率は7.48%。8割以上という女性の取得率に比べればまだかなり低い水準です。10年前の09年度は1.72%だったことに比べれば、大幅に上昇したともいえますが、まだ1割未満。政府は少子化社会対策大綱で、男性の育休取得率について「25年までに30%」と高い目標を設定しています。
男性が育休取得をしやすくなる制度や、給付金のアップなども政府から意見が出ているので、子育て世代の人はこれからもチェックしておく必要があります。
■社会保険料も免除される育休期間
育休期間については、産休期間と同じく健康保険と厚生年金の社会保険料が免除されます。これももちろん母親、父親を問いません。休業の「開始月」から「終了予定日の翌日の前月」までが免除対象です。免除を受けている期間も被保険者としての資格は継続しますし、保険料も納付したものとされますので、将来、年金額を計算する際にも不利益となりません。
申請は勤務先から免除のための書類を受け取り、会社へ提出します。
ただ残念ながら、個人事業主などが加入する国民健康保険と国民年金には免除の制度がありません(産休期間は国民年金の免除があります)。
■保険がきかず高額になりがちな不妊治療に最大100万円以上の助成
子どもを望んでいるのになかなか恵まれないと悩む子育て世代にも、助成制度が用意されています。国が進める「不妊に悩む方への特定治療支援事業」に基づいた不妊治療への助成です。
不妊治療には健康保険が適用できるものもありますが、体外受精や顕微授精などは自由診療となり高額な費用負担が必要になります。治療の内容や医療機関により異なりますが、1回の治療で数十万円、場合によっては検査から採卵、移植までの治療で総額300万円を超えることもあります。