さんま(出典:WEB魚図鑑)
さんま(出典:WEB魚図鑑)
この記事の写真をすべて見る
さんまの握り寿司
さんまの握り寿司

 日中の最高気温もようやく35度を下回り始め、夜もエアコンなしでもなんとか眠れるようになってきましたね。これから少しずつ秋っぽくなってくるのを期待したいものです。

【くら寿司社員が選んだコスパ最強のネタはこちら!】

 秋を代表する魚といえば、「秋刀魚」とも書く「さんま」ですよね。秋を代表する魚なら「鰍」と書けばいいように思いますが、この漢字は「かじか」という別の魚に当てられています。

 さんまは江戸時代には人々に知られてはいましたが、脂が多すぎてあまり人気がなく、形が似ている「サヨリ」にあやかって、「オキサヨリ」などと呼ばれたり、脂をあんどんを灯すのに使ったりする程度の魚だったので、学者もわざわざ漢字を考えることをしなかったと言われています。

 ではなぜ「かじか」に「鰍」を当てたのかですが、「鰍」は中国では「ドジョウ」のことで、「かじか」の見た目がドジョウに似ていたからという説が有力なようです。

 余談になりますが、魚へんに春と書くと「さわら」、魚へんに冬と書くと「このしろ」です。では、魚へんに夏と書く魚は何かわかりますか?

 実は「そんな漢字は存在しない」が正解なんです。

 ブリの幼魚である「わかし」にこの漢字を当てることがありますが、皆さんのスマホやパソコンで、「わかし」と入力しても、魚へんに夏の漢字が出てくることはないと思います。

 江戸時代には人気がなかったさんまですが、最近の調査によると、我々日本人が好きな魚は、「サーモン」「まぐろ」「さんま」「あじ」「さば」がどの調査でも不動のベスト5とのことです。

 鯛やハマチ(ブリ)が入っていなくて、さんまが入っているのはちょっと意外ですよね。

 さんまが人気の理由は、「脂が乗った身の甘さ」「他の魚に比べて柔らかい身質」そして「うろこや内臓を取り除くことなくそのまま焼いて食べられる手軽さ」とのことです。確かに、脂のよく乗ったさんまの塩焼きを食べると、日本人に生まれた幸せを感じます。

 皆さんもよくご存じの通り、そのさんまが近年は不漁で大変なことになっています。

著者プロフィールを見る
岡本浩之

岡本浩之

おかもと・ひろゆき/1962年岡山県倉敷市生まれ。大阪大学文学部卒業後、電機メーカー、食品メーカーの広報部長などを経て、2018年12月から「くら寿司株式会社」広報担当、2021年1月から取締役 広報宣伝IR本部 本部長。

岡本浩之の記事一覧はこちら
暮らしとモノ班 for promotion
台風シーズン目前、水害・地震など天災に備えよう!仮設・簡易トイレのおすすめ14選
次のページ
一匹1500円に高騰したことも