ロッテ藤原恭大を見なくなった。
【写真】「平成で最もカッコいいバッティングフォーム」はこの選手!
チームが優勝争いする中、藤原の名は見当たらない。ルーキーイヤーの昨年は至るところで存在感を発揮していたのが不思議なほどだ。
即戦力になる力も秘めていたスター候補は、現在何をしているのだろうか……。
「開幕1軍を経験させてもらい、その後ファームに移ったけど思うような成績が残せなかった。課題の残る1年間だった」
昨年契約更新時に率直な感想を口にした。
ロッテでは65年の山崎裕之以来、54年ぶりの高卒新人開幕スタメン出場、プロ初安打も放った。期待の新人はいきなり結果を出し、周囲は盛り上がった。しかし以降はまったく結果を出せず、1年目は6試合出場、19打数2安打2打点、打率.105に終わった。
「球のスピード、キレ、変化球、コントロールも違う。プロ野球選手になったからといって野球が上手くなるわけじゃない」
同じようなコメントが何度も飛び出した。アマとプロの違いを本人が最も実感している。
大阪桐蔭では1年夏から中堅のレギュラー。2年春から3年夏まで4季連続で甲子園に出場、うち3度全国制覇を果した。甲子園4大会通算85打数27安打、打率.318、5本塁打、21打点と大舞台で結果を残し、高校日本代表にも2年連続で選出された。3拍子揃った素材にはロッテ、楽天、阪神と3球団が競合し、現在所属するロッテが交渉権を獲得した。
「プロでもすぐに適応できると思ったが、想像以上に苦労している」とロッテOBは現状を語る。
「身体能力はプロでもトップクラス。ただ身体がまだできていない。高校時代までは金属バットを使用したので、結果を出すこともできた。プロでは木製バットをしっかり操れる技術、体力が必要となる。そのために身体を作らないといけないが、持ち前のスピードが死んでは意味がない。動けるプロ仕様の身体を作っている最中で、時間はかかる」
高卒野手が苦しむのは金属から木製への対応。藤原も成長途中というところか……。