ホワイトソックスのヒメネスらメジャーの長期契約は若手にシフトするか?(写真/gettyimages)
ホワイトソックスのヒメネスらメジャーの長期契約は若手にシフトするか?(写真/gettyimages)
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 今季のメジャーリーグは新型コロナウイルスの影響で短縮シーズン(レギュラーシーズンは60試合)となり、それに合わせて選手たちの年俸も削減された。だがそれでも高額な年俸を長期契約で保証されながら見合った活躍が今季もできずにいる選手たちが何人も存在する。

 その筆頭は現役屈指の不良債権としてすっかり日本でも知名度が上がってしまったクリス・デービス(オリオールズ)。ホームラン王を2回獲得したメジャー屈指の長打力を買われて2016年に7年総額1億6100万ドル(約168億2000万円)で契約(当時29歳)したが、16年こそ38本塁打を放ったものの成績は年々下降。18年には16本塁打まで落ち込み、打率は規定打席に到達した選手としてはメジャー史上最低の1割6分8厘と散々だった。

 19年には前年から引き続いて62打席、54打数ノーヒットを記録。これはいずれもメジャーワースト新記録だ。今季も16試合の出場で打率1割1分5厘で、ホームランはついにゼロ。9月に左ひざのけがで負傷者リスト入りし、シーズン絶望となってしまった。

 現役唯一の三冠王経験者であるミゲル・カブレラ(タイガース)も、かつての輝きが戻らない大型契約選手の一人。2012年にメジャーでは45年ぶりの三冠王となったカブレラは、2014年に実質10年総額2億9200万ドル(約305億2000万円)でタイガースと契約延長(当時30歳)した。

 ところが16本塁打に終わった17年から長打力が一気に落ち込み、今季は52試合に出場した時点で7本塁打、長打率3割7分、OPSは6割9分2厘とすっかり凡庸な打者となってしまっている。打撃力重視の選手なだけに、この数字では誰も納得しないだろう。

 彼らのように30歳を過ぎてからの長期契約はリスクがあり過ぎるとして、近年では及び腰となるチームも出てきた。その一方で注目を集めているのが、メジャーデビュー前の若手有望株と、比較的低い総年俸で長期契約を相次いで結んでいるホワイトソックスだ。

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若手との長期契約は成功?