1992年からコラムニストの神足裕司と漫画家の西原理恵子が評判の名店をボロクソに採点し、人気を博した本誌の名物連載「恨ミシュラン」。時を経て「要介護5」となった神足さんが再び、西原さんとタッグを組んだ。当時の本誌担当を交えたZoom対談で、ぶっちゃけた秘密とは?
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神足(筆談で参加=以下同):今、夕張にいます。外国車の介護車の取材です。乗り心地、最高(と、画面に手を振る)。
西原:コータリン、今右手! すごく滑らかに動いてる。昔なんて、ビール飲むのも大変だったのに、よく動くようになったのね。で、今、夕張なんだ。いいなぁ。
神足:(また手を振る)
西原:コータリンがくも膜下出血で倒れてからも、私は神足家の食事会によく呼ばれて、ずっとコータリンのこと見てきたけど、最初は大好きなビールもグラスでは持てなくて、それがジョッキを持てるようになり、箸も使えるようになって、日に日に右手の動きが滑らかになっている。最近はLINEやSNSのダイレクトメッセージでおしゃべりもしているのよね。
神足:(手書き原稿を画面にかざして)コラムの仕事はボクが手書きで原稿用紙に原稿を書いて、それを妻がパソコンに打ち直してくれている。介護の連載原稿もそうやって書いた。
西原:(神足さんの見せてくれた手書き原稿を見て)もう昔と変わらない字だ。いやむしろ、若いときのほうが字が汚い。私、昔はコータリンの字が読めなかったときがあったもの(笑)。この介護の連載の絵を描き始めたころは、まだ誤字脱字もあったけどすぐに滑らかになって、脳みそがモリモリ戻り始めてるなってすごく感じてたよ。仕事を引き受けたときは、コータリンしゃべらないから、私は好き勝手にできる、しめしめって思ってたのに(笑)。
──お二人の新刊『コータリン&サイバラの介護の絵本』は、老人ホーム検索サイト「みんなの介護」で連載中の「コータリさんからの手紙」を単行本にしたものですが、「恨ミシュラン」コンビ復活作ですね。