新井リオさん(撮影/掛祥葉子・写真部)
新井リオさん(撮影/掛祥葉子・写真部)
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 英語で日記に書いた文章をiPhoneのSiriに向かって100回音読し、カナダ留学中も語学学校には通わずオンライン英会話を毎日受講――。そんな独特の英語学習法をつづったブログが累計300万PVを超え、書籍『英語日記BOY』も出版した新井リオさん。現在発売中の『AERA English 2020 Autumn&Winter』では、新井さんが実践していた若者ならではの「お金をかけない」学習法を取材した。

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「何かに挫折したとき、『自分はなんてダメなんだ』で終わらせたら物語は進まない。悔しい思いをしたときは『ここから新しい世界が始まるんだ』と考えるべきだと思うんです」

 新井リオさんが「英語の世界」に足を踏み入れたのも、きっかけは悔しい経験だった。

 19歳のとき、憧れのバンドを前にして「高校生のころから聴いています」と言えなかったこと、初めてのアメリカで、見ず知らずの自分を宿まで送り届けてくれた青年に「I’m sorry.」「Thank you.」しか言えなかったこと。あのとき言いたかったこと、また同じ経験をしたら言いたいことを英訳し、書き留めたノートが、その後、わずか数年間で新井さんの英語力を大幅に進化させる「英語日記」の原型になった。

「ここぞという場面ですぐ言えるように、英語日記に書くのは10秒以内で言える文章を一つだけ。書いた文章は100回くらいiPhoneのSiriに話しかけて、発音を練習します」

 最近追加したお気に入りの一文は、「Lennon was on an absolute tear with “Rubber Soul”!」(レノンは「ラバー・ソウル」で無双してるね!)。

「この表現は、ビートルズの動画のコメント欄で見つけました。『いいね!』が多いコメントは、気の利いた表現が多いので参考になります」

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